はじめに
軽自動車は手頃な価格と低維持費で人気がありますが、購入時には本体価格以外にも様々な費用がかかります。予算を立てる際に「思ったより高くついた」とならないよう、実際にかかる費用の全体像を把握しておくことが大切です。この記事では、軽自動車を購入する際に必要となる諸費用の内訳と総額の目安を詳しく解説します。初めて車を購入する方も、買い替えを検討している方も、ぜひ参考にしてください。
軽自動車の本体価格の相場
軽自動車を購入する際、まず気になるのは本体価格です。価格帯は車種やグレード、オプションによって大きく異なります。
新車の軽自動車の価格相場
新車の軽自動車の本体価格は、一般的に100万円〜180万円程度の範囲です。エントリーモデルであれば100万円前後から購入できる車種もありますが、上位グレードや人気の高いモデルになると150万円を超えることも珍しくありません。特に近年は安全装備や快適装備が充実し、それに伴って価格も上昇傾向にあります。
軽自動車でも、タイプによって価格帯は異なります。軽ワゴンタイプは130万円〜180万円、軽SUVは140万円〜180万円、軽スポーツカーは160万円〜200万円程度が相場となっています。ベーシックな軽自動車であれば100万円〜130万円程度から選ぶことができます。
中古車の軽自動車の価格相場
中古車の場合は、年式や走行距離、車の状態によって価格が大きく変動します。新車から3年以内の比較的新しい中古車であれば、新車価格の6〜8割程度が相場です。5年以上経過した車両では新車価格の3〜5割程度まで下がることが多いでしょう。人気車種は中古市場でも高値で取引される傾向があります。
例えば、3年落ちの人気軽自動車であれば70万円〜100万円程度、5年以上経過した車両であれば30万円〜60万円程度で購入できることが多いです。ただし、状態の良い車や人気グレードは相場より高くなる場合があります。
価格に影響を与える要素
軽自動車の価格に大きく影響するのは以下の要素です:
- グレード:上位グレードほど装備が充実し価格も高くなります
- ボディタイプ:ハイトワゴンやクロスオーバーは一般的に高価格帯です
- 駆動方式:4WDは2WDに比べて約15〜20万円高くなります
- オプション装備:ナビやバックモニター、安全装備などを追加すると価格が上昇します
- 外装色:特別塗装色は追加費用が必要な場合があります
軽自動車購入時にかかる諸費用の詳細
本体価格以外にも、車を購入する際には様々な諸費用がかかります。これらの費用を事前に把握しておくことで、予算計画を立てやすくなります。
税金関連費用
軽自動車を購入する際には、以下の税金が発生します:
- 環境性能割(旧:自動車取得税):軽自動車の場合、購入価格に対して非課税〜2%の税率が適用されます。環境性能に応じて税率が変わり、低燃費車ほど税率が低くなります。例えば、購入価格150万円の軽自動車で税率2%の場合、3万円が必要です。
- 自動車重量税:軽自動車の場合、新車購入時は3年分を一括で支払います。環境性能に応じて税額が変わりますが、一般的に軽自動車では約1万円〜3万円程度です。
- 軽自動車税(種別割):毎年4月1日時点の所有者に課税される税金です。軽自動車は年間10,800円(新車登録から13年経過すると12,900円)かかります。新車購入時には月割りで計算された額を支払います。
保険関連費用
- 自賠責保険料:自賠責保険は法律で加入が義務付けられています。軽自動車の新車購入時は37か月分で約28,000円程度です。
- 任意保険料:任意保険は強制ではありませんが、事故の際の補償を考えると加入が推奨されます。保険会社や条件によって異なりますが、年間3〜10万円程度かかることが多いです。年齢や運転歴、車種、補償内容によって大きく変わります。
登録費用
- 車庫証明費用:公安委員会発行の車庫証明取得にかかる費用で、証明書代約2,700円と、場合によっては行政書士への手数料(1〜2万円程度)がかかります。
- 登録手数料:軽自動車の場合、陸運局ではなく軽自動車検査協会での手続きとなり、新規検査手数料として約7,500円かかります。
- ナンバープレート代:軽自動車の場合、前後のナンバープレート代で約1,500円程度です。希望ナンバーを取得する場合は追加で約8,000円必要です。
納車準備費用
- 納車整備費用:ディーラーや販売店で車両を整備し、納車準備をする費用です。約1〜3万円かかることが一般的です。
- 登録代行手数料:ディーラーや販売店が各種手続きを代行する際の手数料で、約1〜2万円程度かかることが多いです。
- 付属品費用:フロアマットやドアバイザーなどの付属品を付ける場合は、それぞれ約1〜3万円程度の追加費用がかかります。
支払い方法別の総費用比較
軽自動車の購入方法によっても、全体の費用は変わってきます。ここでは主な3つの方法について比較します。
現金一括購入
現金一括で購入する場合、本体価格に諸費用を加えた金額を一度に支払います。150万円の軽自動車を購入すると仮定した場合、諸費用を合わせると約170〜180万円程度の支出となります。
メリット:
・金利負担がなく、総支払額が最も少なくなる
・所有権がすぐに自分に移り、売却も自由にできる
・毎月のローン返済の心配がない
デメリット:
・まとまった資金が必要
・他の投資や貯蓄に回せる資金が減る
ローン購入
ローンで購入する場合、頭金を除いた金額を分割して支払います。150万円の軽自動車に頭金30万円を入れ、残りの120万円を金利2.5%、5年ローンで購入すると、月々の返済額は約2.1万円、総支払額は約156万円(頭金込み)となります。
メリット:
・少ない初期費用で車を手に入れられる
・月々の支払いを計画的に組み込みやすい
デメリット:
・金利分のコストが上乗せされる
・ローン完済まで所有権が金融機関にある場合がある
・審査が必要
カーリース
カーリースは車を「所有」ではなく「利用」する方法です。契約期間中は毎月定額を支払い、契約満了時に返却するか購入するかを選べます。150万円の軽自動車を7年リースで契約した場合、月々約2万円前後(税金や車検費用込み)で利用できることがあります。
メリット:
・初期費用が少なく、維持費が月額に含まれている場合が多い
・定額で予算管理がしやすい
・契約満了時に新車に乗り換えやすい
デメリット:
・長期的に見ると総支払額が高くなる場合がある
・契約期間中の解約に違約金がかかる
・走行距離制限などの条件がある
軽自動車の維持費について
車の購入後にも、継続的に維持費がかかります。軽自動車の年間維持費の目安を見てみましょう。
毎年かかる維持費の内訳
- 軽自動車税:年間10,800円(13年経過後は12,900円)
- 任意保険料:年間約3〜10万円(年齢や条件により異なる)
- 燃料費:年間走行距離1万kmの場合、燃費20km/Lの軽自動車で約7万円程度(ガソリン価格150円/Lで計算)
- 駐車場代:地域により大きく異なりますが、月額5,000円〜2万円程度
車検費用
軽自動車の車検は新車登録から3年後、以降は2年ごとに必要です。
- 法定費用:自動車重量税(約1万円程度)と自賠責保険料(約2.5万円/2年)
- 整備費用:点検と必要な部品交換を含めて3〜8万円程度
- 代行手数料:整備工場やディーラーに依頼する場合、約1〜2万円程度
合計すると、軽自動車の車検費用は約6〜12万円程度が一般的です。
メンテナンス費用
- オイル交換:6ヶ月または5,000km走行ごとに必要で、1回あたり約5,000〜1万円程度
- タイヤ交換:2〜4年に一度、4本セットで約3〜8万円程度
- バッテリー交換:3〜5年に一度、約1〜2万円程度
- その他消耗品:ワイパー、ブレーキパッド、エアフィルターなど年間約1〜3万円程度
軽自動車購入の費用を抑えるコツ
軽自動車の購入費用や維持費を抑えるためのポイントをいくつか紹介します。
お得な購入時期
- 決算期(3月・9月):ディーラーが販売台数を伸ばしたい時期で、値引き交渉が有利になりやすいです。
- モデル切り替え時期:新型モデル発売前の旧モデルは値引き幅が大きくなる傾向があります。
- 月末・四半期末:販売店が月間・四半期目標達成のために値引きに応じやすくなります。
値引き交渉のポイント
- 複数の販売店を比較する:見積もりを複数取得し、競合させることで値引き額が増える可能性があります。
- 人気のオプションを交渉材料にする:不要なオプションを外すか、必要なオプションを値引きしてもらう交渉をしましょう。
- 下取り車を活用する:下取り価格を適正に評価してもらい、総額での交渉をすることが重要です。
維持費を抑える方法
- 自賠責以外の保険を見直す:年齢条件や補償内容を適切に設定し、保険料を抑えられることがあります。
- 定期的なメンテナンスを怠らない:小さな異常を早期に発見・修理することで、大きな故障を未然に防ぎます。
- エコドライブを実践する:急発進・急ブレーキを避け、適正速度を保つことで燃費が向上します。
- カーリースやサブスクリプションの検討:購入よりも初期費用を抑えられ、維持費が月額に含まれているプランもあります。
まとめ
軽自動車は本体価格だけでなく諸費用や維持費も含めた総額で考えることが重要です。新車なら170万〜180万円、中古なら50万〜120万円程度が目安となります。また、現金一括・ローン・カーリースそれぞれにメリット・デメリットがありますので、自分に合った方法を選びましょう。
さらに、お得な購入時期や値引き交渉術を活用すれば予算内で理想的な軽自動車に出会える可能性も高まります。この記事を参考にして、自分らしいカーライフをスタートしてください。
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