はじめに
車を手に入れる方法として人気が高まっているカーリース。初期費用を抑えられる点や定額制で車を持てる魅力から、多くの方が検討されています。しかし、カーリース契約を結ぶ前に必ず押さえておきたいのが「メンテナンス費用」の実態です。この記事では、カーリースのメンテナンス費用について詳しく解説し、契約前に知っておくべきポイントをご紹介します。
カーリースのメンテナンス費用はどうなっている?
カーリースを検討する際、月々の支払いだけに目が行きがちですが、車を維持するためには定期的なメンテナンスが必要です。カーリースにおけるメンテナンス費用の取り扱いは大きく分けて2つのパターンがあります。
メンテナンスパック込みのカーリース
メンテナンスパックが含まれたカーリースでは、月々の支払いにオイル交換や定期点検などの基本的なメンテナンス費用が含まれています。これにより、突発的な出費を心配することなく、計画的な車の維持が可能になります。
メンテナンスパック込みのプランに含まれる一般的なサービスは以下の通りです:
- エンジンオイル交換
- オイルフィルター交換
- 各種点検(ブレーキ、タイヤ、バッテリーなど)
- エアコンフィルター交換
- ワイパーゴム交換
ただし、メンテナンスパックの内容は契約によって異なるため、具体的にどのようなサービスが含まれているのか、契約前に確認することが重要です。
メンテナンス別のカーリース
一方、メンテナンス費用が含まれていないカーリースもあります。この場合、月々のリース料金は比較的安く設定されていますが、メンテナンス費用は別途自己負担となります。
必要に応じて整備工場を選べる自由度がある反面、予期せぬメンテナンス費用が発生するリスクもあります。計画的な資金管理が必要になるでしょう。
カーリースでかかる具体的なメンテナンス費用の目安
カーリース契約を検討する際、実際にどれくらいのメンテナンス費用がかかるのか知っておくことは重要です。ここでは、一般的な車種でかかる主なメンテナンス費用の目安をご紹介します。
定期的なメンテナンス費用
エンジンオイル交換
- 頻度:約5,000km〜7,500kmごと、または6ヶ月ごと
- 費用目安:5,000円〜10,000円
オイルフィルター交換
- 頻度:約10,000kmごと、または1年ごと
- 費用目安:3,000円〜5,000円
エアフィルター交換
- 頻度:約20,000kmごと、または2年ごと
- 費用目安:3,000円〜7,000円
タイヤローテーション
- 頻度:約10,000kmごと
- 費用目安:3,000円〜5,000円
ブレーキパッド交換
- 頻度:約30,000km〜50,000kmごと
- 費用目安:15,000円〜30,000円
車検関連費用(2年ごと)
法定費用
- 自動車重量税、自賠責保険料:25,000円〜35,000円(車種により異なる)
点検整備費用
- 基本点検料:15,000円〜30,000円
- 部品交換等の整備費用:状態により変動
代行手数料
- 5,000円〜10,000円
長期間使用による交換部品の目安
タイヤ交換
- 頻度:約3〜5年、または40,000km〜50,000kmごと
- 費用目安:4本で40,000円〜80,000円
バッテリー交換
- 頻度:約3〜5年
- 費用目安:10,000円〜20,000円
タイミングベルト交換
- 頻度:約100,000kmごと(車種により異なる)
- 費用目安:50,000円〜100,000円
カーリース契約時のメンテナンス費用チェックポイント
カーリース契約を結ぶ前に、メンテナンス関連で確認しておくべき重要なポイントをご紹介します。
1. メンテナンスパックの詳細を確認する
メンテナンスパック込みのプランを選ぶ場合は、具体的にどのようなサービスが含まれているのかを確認しましょう。特に以下の点に注目してください:
- 基本的な消耗品交換(エンジンオイル、フィルター類)の頻度と回数
- タイヤ交換が含まれるか否か
- 修理対応の範囲(故障時の対応、事故時の修理など)
- 24時間ロードサービスの有無と内容
2. メンテナンス工場の選択肢
メンテナンスパック込みのプランでは、指定の整備工場でのみメンテナンスを受けられる場合があります。以下のポイントを確認しておきましょう:
- 指定工場の場所と自宅や職場からのアクセス
- 代車サービスの有無
- 予約の取りやすさ
- 営業時間の都合
3. 契約期間中の走行距離制限
多くのカーリース契約では、年間走行距離の制限があります。この制限を超えると追加料金が発生する場合があるため、自分の利用状況に合った契約かどうか確認しましょう。
- 年間走行距離の上限(一般的に7,000km〜15,000km)
- 超過した場合の追加料金の仕組み
- 契約途中での変更可否
4. 契約満了時の車両状態チェック
カーリース契約満了時には、車両の状態チェックが行われます。通常の使用による経年劣化は許容されますが、過度の損傷がある場合は修理費用が請求されることがあります。
- 「通常の使用による劣化」の定義
- 追加費用が発生するケースの具体例
- 事前点検の有無と時期
メンテナンスパック付きとなしの比較:どちらがお得?
カーリースを選ぶ際、メンテナンスパック付きプランとなしのプランのどちらが自分に合っているか検討する必要があります。ここでは両者のメリット・デメリットを比較します。
メンテナンスパック付きプランのメリット・デメリット
メリット
- 月々の支払いが一定で予算管理がしやすい
- 突発的な修理費用の心配が少ない
- 専門家による定期的なメンテナンスで車の状態を良好に保てる
- 面倒な整備の予約や手配の手間が省ける
デメリット
- 月額リース料が比較的高い
- 整備工場が指定される場合が多い
- 自分でメンテナンスを行う自由度が低い
- 実際にかかる費用より高く支払っている可能性がある
メンテナンスパックなしプランのメリット・デメリット
メリット
- 月額リース料が比較的安い
- 整備工場を自由に選べる
- 必要に応じたメンテナンスを選択できる
- 車に詳しい方なら費用を抑えられる可能性がある
デメリット
- 突発的な修理費用が発生するリスクがある
- メンテナンス費用の予算管理が難しい
- 適切なタイミングでのメンテナンスを自己管理する必要がある
- 長期的に見ると総コストが高くなる可能性もある
自分に合ったプランの選び方
自分のライフスタイルや車の使用状況に合わせて、最適なプランを選びましょう。以下のような方はメンテナンスパック付きが向いています:
- 車の知識や整備の経験が少ない方
- 突発的な出費を避けたい方
- 忙しくてメンテナンスの手配をする時間がない方
- 長距離運転や頻繁に車を使用する方
一方、以下のような方はメンテナンスパックなしが向いています:
- 車の知識が豊富で、適切なメンテナンス時期を把握できる方
- 信頼できる整備工場がすでにある方
- コストを抑えて最低限のメンテナンスで済ませたい方
- 年間走行距離が少ない方
よくある質問:カーリースのメンテナンス費用Q&A
カーリースのメンテナンス費用について、よくある質問とその回答をまとめました。
Q1: メンテナンスパックに加入せず、後から追加することはできますか?
A1: 多くのカーリース会社では、契約時にメンテナンスパックの有無を決める必要があります。契約後の追加は難しい場合が多いですが、カーリース会社によっては途中変更できるケースもあるため、契約前に確認しておくことをおすすめします。
Q2: 事故修理費用はメンテナンスパックに含まれますか?
A2: 一般的に、事故による修理費用はメンテナンスパックに含まれません。別途、任意保険で対応することになります。ただし、カーリース契約時に自動車保険も一緒に加入できるプランもあるため、総合的に検討するとよいでしょう。
Q3: メンテナンスパックに入らなかった場合、どこで整備を受ければよいですか?
A3: メンテナンスパックに入らない場合は、ディーラー、カー用品店の整備工場、独立系の整備工場など、お好みの場所で整備を受けることができます。ただし、メーカー保証を維持するためには、指定された点検をディーラーで受ける必要がある場合もあります。
Q4: リース期間中にタイヤ交換は必要ですか?
A4: リース期間や走行距離によっては、タイヤ交換が必要になる場合があります。一般的に3〜5年、または40,000km〜50,000kmでタイヤ交換が推奨されています。メンテナンスパックにタイヤ交換が含まれているかどうかは、契約内容を確認してください。
Q5: 契約満了時のメンテナンス状態はどの程度求められますか?
A5: 契約満了時には、年式や走行距離に応じた通常の劣化は許容されますが、著しい損傷や整備不良があると追加費用が発生する可能性があります。定期的なメンテナンスを行い、適切な状態を保つことが重要です。
まとめ:カーリース契約前に知っておきたいメンテナンス費用のポイント
カーリース契約を結ぶ前に、メンテナンス費用について十分に理解しておくことは非常に重要です。この記事のポイントをまとめると:
- メンテナンスパックの内容を詳細に確認する
何が含まれ、何が含まれていないのかを明確に把握しましょう。 - 長期的な視点でコストを比較する
月々の支払額だけでなく、リース期間全体でかかる総コストを考慮して判断しましょう。 - 自分の利用状況に合ったプランを選択する
走行距離や車の使用頻度、メンテナンスの知識などを踏まえて最適なプランを選びましょう。 - 契約条件をしっかり確認する
走行距離制限や契約満了時の条件など、細かい点も見落とさないようにしましょう。 - 余裕を持った資金計画を立てる
メンテナンスパックなしの場合は、突発的な修理費用に備えた資金計画を立てておきましょう。
カーリースは適切に活用すれば、車を所有する負担を軽減しながら新車に乗れる便利なシステムです。メンテナンス費用についてしっかり理解し、自分のライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、快適なカーライフを送りましょう。
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